ドル安に支援された足元の金価格は好調も、上値も限定的か

Investors conflicted as gold prices rise, but Fed and ECB policy outlook weighs

金(ゴールド)価格は堅調に推移しているものの、中央銀行による金融政策の通常化に対する懸念が需要に影響を与える可能性も指摘されており、今後の価格動向が不透明になってきている

一つのマイナス要因として、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によれば、第2・四半期の金上場投資信託(ETF)の需要が75%と大きく低下している。

WGCは、「昨年の(金需要の)拡大は、ETFへの資金流入の一言に尽きる。実際、消費需要は低調だった。今年これまでのところ、欧米では、ETFへの資金流入が着実に進んでおり、特にインドでは宝飾需要が改善してきている。一般投資家による需要、工業用のニーズも着実だ」とした。

WGCによれば、第2・四半期の金需要は、前年同期比10%減の953トン。上半期では同14%減の2003トン。

ブリオンボルトのリサーチ担当ディレクター、エイドリアン・アッシュ氏は、こうしたセクターの金需要は、価格上昇につれて拡大する傾向があるとしたうえで、「アジアの少額バーや硬貨、宝飾需要や中銀の購入も、価格の浮き沈みに左右されるものだ」としている。

ETF運用会社、グラナイトシェアーズの最高経営責任者、ウィル・ラインド氏は、金価格の今年の上昇がドル安にあると分析している。

「ここ数年のドル強気相場が、金やほかのコモディティ(商品)には悪材料となってきた。ドルが下落基調にある今、金には逆に追い風となっている」とした。

一方、UBSのストラテジスト、ジョニ・テベス氏は、幾分か慎重で、上値が限定的だとみている。

「多くがポートフォリオの分散化手段の一つとして、金投資が適切だと考えている向きが多くいる。しかし、まとまった規模の戦略的なポジションを作っている向きはほとんどいない。実際のところ、金に資金を投下している向きが少ないことそのものが、金価格の大幅上昇を妨げている要因だ」とした。

クレディ・スイスのリサーチ・アナリスト、コナー・ロウリー氏は、「米ドル安とインフレ見通しの低迷に挟まれて、実質金利が現行水準で停滞し、金価格には圧力をかける形になっている」とした。