拡大するエマージング債ETF、相場の大幅安を生み出す一因

Traders Fear Hard Landing in Emerging Markets

ブラックロックがエマージング(新興)諸国市場債券と連動する上場投資信託(ETF)を積極的に導入していることで、エマージング債市場が大きく下げるとの懸念が浮上している。

iシェアーズJPモルガンEM政府債ETFは、今年に入りすでに運用資産が倍増している。新規投資だけで30億ドルを超えており、平均リターンは4.72%となっている。

こうしたETFが内包するリスクとは、低金利で資金を調達し高利回りが確保できる市場に投資する、いわゆる「キャリー・トレード」が解消された場合だ。このキャリー・トレード解消は、遅かれ早かれ起きることで、いったん始まると、雪崩をうって拡大していくのが、これまでの常だ。

シュローダー・インベストメント・マネジメントに投資資金を置くRemi Olu-Pitan氏は、「(キャリー・トレードの動向には)絶えず注視している。なにか不測の自体、あるいは危機が発生すれば、資金は逃げていく。問題は、全員が一斉に脱出するためのドアは、かなり小さいことだ」としている。

現物市場や株式、債券と連動するETF市場の拡大は、一部では、市場のバブル化を助長しているとの批判もある。

ミューチュアルファンドと異なり、ETFは、ファンド内部に現金を留保しておくことはせずに、連動する株式や債券に投資する。したがって、投資家がETFを売却することはすなわち、連動する株式や債券を売ることに直結する。