ドルの低調は「トランプ・スランプ」が原因

The explanation for the tumbling US dollar starts with Trump

今年に入りドルは軟調な展開となっている。この理由は、いくつか考えられるが、多くが、トランプ大統領がもっとも大きな原因だと考えている。

オッペンハイマーのジョン・ストルジフス氏は、「予想外にトランプ氏が大統領選で勝利し、同氏が掲げている減税、財政支出の拡大、加えてFRB(米連邦準備制度理事会、中央銀行に相当)の利上げ期待もあり、(2016年終盤には)ドルは(貿易加重平均で)14年ぶりの高値となった」と、これまでのドルの動きを分析した。

しかし、市場が想定してたような環境は、現実とはならなかった。

ホライゾン・インベストメンツのグレッグ・バリーレ氏は、「世界の投資家は、米国のヘルスケアと税制改革が夏季までには進展すると想定していた。しかし、現実とはなっていない」と、現在の市場の失望感を説明している。

「そして、今では、財政問題に注目が集まっており、9月30日の会計年度の終わりには危機的な状況になるとの懸念が浮上している。税制改革が秋季にはなんらかの進展を見せるだろうが、トランプ大統領が、なによりもロシア疑惑に注力していることが問題だ」とした。

バリーレ氏は、現在のドルの状況を「トランプ・スランプ」だと表している。

ドイチェバンク・ウェルス・マネジメントのラリー・アダム氏は、「経済優先のトランプ政権の政策の遅れで、成長を促すことにはなっておらず、この政策実行の遅れは、米経済成長には失望感をもたらしている」とした。