足元のドル安、経済統計不安よりもトランプ政策不実行への失望

Dollar tumble: Trump is no longer good news for the greenback, analysts say

ドルは、足元のインフレ低下を受けて軟調となっているとの指摘がある一方で、「トランプ・ディスカウント」とも呼ばれるトランプ政権の提案不実行が、押し下げ要因だとの議論もある。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグローバル・ストラテジック・アドバイザー、リチャード・クラーリダ氏は、トランプ大統領がこれまで掲げている政策が進展していないことで、市場に失望感が出ていると分析している。

「今年に入り、大規模な景気刺激策が打ち出されるとの期待があった。減税やインフラ整備への期待も多くあった。そして現実には、減税もインフレ整備も、大幅な健康保険改革もすべて議会で却下された。一部には、大きな失望感が出ている」とした。

同氏によれば、この健康保険問題が、ほかの経済課題の人質状態にあると分析している。

BMOの米金利ストラテジスト、イアン・リンジェン氏によれば、米金利先物の価格動向には、年内の利上げ折り込み率を52%とされていたが、これが現在では46%にまで低下している。

ナショナル・オーストラリア・バンクの外国為替ストラテジー共同責任者、レイ・アットリル氏は、足元のドル安が経済指標の内容不足だけでは説明できないと主張している。

同氏は、「ドルの弱さは、弱い内容の経済指標だけではない」とし、金利動向とドルとの歴史的な関連性を指摘したうえで、「純粋に金利動向から判断すると、ドルは、5〜6%過小評価されていると言える」とした。