中国、海外企業買収と銀行融資でリーマン型危機に直面か

China confronts its Lehman moment

中国政府は、経済の運営を着実に進めているとしているが、今まさに、リーマン型の金融危機に直面している。

銀行業監督管理委員会(CBRC)は、大手各行に大手保険の安邦保険集団、コングロマリットの復星集団や海航集団(HNA)、さらに大連万達グループに関連する投融資に関する調査を命じている。

ウォルストリート・ジャーナル紙やフィナンシャル・タイムズ(FT)紙など複数の報道によれば、この調査が中国の金融に「システム上のリスク」をもたらすものかどうか、懸念を抱いているという。

CBRCの「4大ギャング」に関する調査は、大きな意味を持つ。

ディーロジックの統計によれば、この4社は、海外企業の買収というカテゴリーにおいては、中国国内で大きな意味を持つ。過去5年を振り返ると、570億ドル相当の海外買収を手掛けており、同時期の中国企業による買収総額の15%に達する。

世間の耳目を集めた買収事例では、安邦保険集団は、2014年にニューヨーク著名ホテル、ウォルドルフ・アストリアを買収、HNAはドイチェバンクの10%株式を保有、ヒルトン・ホテル・グループの25%を保有している。大連万達グループは、世界最大の映画館運営会社のAMEエンタテインメント・ホールディングスを買収、復星集団は、地中海クラブやシルク・デ・ソレイユを保有している。

この4つの企業のビジネスモデルは異なり、活躍するセクターも異なるが、中国共産党との強気コネを軸に、規制面や権益の確保で有利な立場を築いていることは共通している。

中国政府は、人民元を自由に交換することは容認していないが、この4大企業など複数の民間企業の海外企業買収を容認してきた。こうした企業は、党幹部にとって忠実で、海外企業の買収も国益、あるいは党益にかなうのであれば、多少の活動には目をつぶってきた。

しかし、状況は、異なってきた。

今年4月、CBRCは公式に、旧来の保険業界における慣習の撤廃を宣言、保険規制当局のトップを更迭、安邦保険集団や復星集団による投擲的な海外買収にまったをかけた。これは、国内において、短期的、かつ高利回りの商品の販売を禁止したことで、広く社会に宣言された形で、規制強化が明らかになった。

一方で、規制当局は、膨れ上がる企業債務の問題には、十分なスピードをもって対応しているとは言い難い。この4社は、レバレッジがかなり高い資金調達にも手を染めている。この4社の親会社は、未上場であることで、十分な情報開示ができていない。

未上場であることで、資金調達コストが上昇しているのも事実だ。一部には、上場している子会社株を担保に資金を調達しているケースもあるという。

担保に差し入れている株が下落した場合、マージン・コール(追加担保の提供)に見合うだけの現金を差し入れる必要に迫られることになる。