サウジ新皇太子起用、政治リスクの高まりと原油価格への影響が懸念される

Saudi shakeup could put the geopolitical risk premium back in oil prices: Analyst

サウジアラビアは、国王の子息であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子を王位継承権1位に格上げしたものの、市場では、これが直接、同国の石油政策に変化をもたらすとは見られていない。

生産方針が維持されると見られる一方で、変化があるとむしろ懸念されているのは、同皇太子の積極的な外交政策にある。RBCでコモディティ(商品)リサーチのグローバル責任者を勤めるヘリーマ・クロフト氏は、この積極性が原油価格に政治的リスク・プレミアムとして負荷される可能性を指摘している。

「ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の権力が増したことは、サウジがよりタカ派色の濃い外交政策を採用し、イランをより積極的に抑え込む施策を採ることが示唆される」と分析している。

同氏によれば、結果的には費用が嵩んだイエメンとの戦争を率い、想定外のカタールとの関係断絶を主導したのは、新皇太子だという。

そのうえで、「中東が、短期的に不安定化することを懸念している。そして、軍事的衝突のリスクが高まることを心配している。政治的なリスクプレミアムが、再び高まることが危惧される」とした。

「重要なことは、(サウジによる)イラン対抗策だ。次にどのような手を打って来るのか。カタールとの関係断絶は、反イラン政策の単なる始まりに過ぎないのか。米国では、トランプ大統領が政権を維持していることで、米政府から(反イラク行動を)抑制するような力が働くことは、ほぼないだろう」としている。

アル・ジャジーラは、同皇太子の就任にあたり、サウジ国内での過去の同皇太子のイランに関する発言をあらためて放映している。そこでは同皇太子は、問題となっているのは、イランが「イスラム世界をコントロール」し、シーア派を広めようとしていることだ、と指摘している。サウジ王家は、スンニ派。

同皇太子はまた、イランと「戦う」準備があると発言したとされている。