トランプ大統領のパリ協定離脱、石炭業界にはメリット薄く新たな貿易障害生む危険性=専門家

Trump has little to gain and much to lose by backing out of Paris Agreement, analysts say

米トランプ大統領は、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの脱退を決意したとされているが、アナリストは、この決断により同大統領が推奨する化石燃料中心の政策が進むとは考え難いだけでなく、貿易相手国との関係悪化が懸念されるとしている。

複数のホワイトハウス関係筋によれば、トランプ大統領は、パリ協定脱退を決意したという。この決意自体は、同大統領がこれまで化石燃料の生産増大と積滞業界の回復を声高に主張しただけに、決して想定外ではない。

エネルギー関連リサーチ、ウッド・マッケンジーのグローバル・トレンド・リサーチ・ディレクター、ポール・マッコーネル氏は、「国内だけみると、トランプ大統領の今回の決断で大きな支持を獲得できるだろう」と分析sひている。

一方で、パリ協定からの脱退により、化石燃料の需要が増えることはない。米国では、エネルギー効率化が進み、再生可能エネルギー価格自体も下落しており、天然ガスも豊富で、電気自動車も普及も進んでいることから、今後も、石炭や石油の需要は減っていくという。

「パリ協定からの脱退は、果たして(国内の)石炭業界を救えるのか?再生可能エネルギーと天然ガスが、より注目されるだけだろう」としている。

オバマ政権下でエネルギー省で国際部門を統括していたジョナサン・エルキンド氏は、今回報道されているパリ協定脱退が、実際には石炭業界にマイナス効果しかないと分析している。同氏によれば、米国が国際的な気候変動対応会議に参加しないことで、クリーン石炭技術開発や次世代原子力発言の協議が、風力や太陽光発電に遅れをとることになる、と懸念している。

それだけではない。パリ協定離脱は、貿易問題にもつながる危険性がある。

米国は、世界第2位の地球温暖化ガス排出国であることは事実で、この事実を踏まえつつつ、米国が温暖化ガス排出制限を制限する枠組みから撤退することで、米国企業が有利に働くと糾弾される可能性がある。

欧州連合(EU)、カナダ、メキシコや中国など主要貿易相手国は、すでに承認、あるいはまもなくパリ協定を承認する見通し。

非営利団体、インターナショナル・エミッッション・トレーディング・オーガニゼーションの責任者、ダーク・フォリスター氏は、仮に米国がパリ協定を離脱するようであれば、一部の海外企業が米国製品に「二酸化炭素税」をかける可能性があると指摘している。