分散投資は万能ではない、イエール大シラー教授に反論=NYU金融学教授

Valuation expert Damodaran says he ‘doesn’t get’ Shiller’s portfolio advice

ニューヨーク大学(NYU)ビジネススクールの金融学教授、アスワス・ダモダラン氏は、グローバル市場にポートフォリオを分散したとしても、必ずしも資産保護には役立たないと主張している。

これは、イエール大学の経済学教授、ロバート・シラー氏の主張と真っ向から反対するもの。

シラー氏は、米株のバリュエーションが高まっており、「危険な」状況に映るとしている。同氏は、必ずしも米株をすぐに売却すべきとは考えていないものの、「ポートフォリオを改めて精査し、十分な分散投資がなされているか確認すべきだ。欧州も投資対象としてあるし、アジアもある。米国投資家の多くは、グローバルに資金を分散できていない」としていた。

「グロバールに分散することで、問題を解決できる」という。

これに対して、企業財務とバリュエーションの権威として知られるダモダラン氏は、分散投資家で全ての問題が解決できるとは見ていない。

「分散投資を進めるべきとの点には、(シラー氏に)同意できる。一方で、例えば市場が大暴落した場合に分散投資で資産を保護できるのか疑問だ」とした。

「1980年終盤には、米市場が40%下げて、欧州市場が10%上昇するようなことがあり得ただろうが、今は1980年代ではない。米国市場が暴落すれば、世界の全ての市場が下げることになる。分散投資で、必ずしも全てから救われる訳ではない」とした。

分散投資は、その効果が最も必要な時に、最低限の仕事しかできないことが、ここ数年で現実化してきている。これは、世界各国の市場が貿易や資本の流れで密接に結びついてきているからだ。米国がリセッション(景気後退)に陥れば、多くの輸出国に影響を与える可能性は大きい。

ユーロSTOXX50指数とS&P500指数の相関関係は、2008年序盤には0.3にとどまっていたが、2009年終盤には0.8にまで上昇している。

ダモダラン氏は、「投資損失からのダメージを最小限に食い止める唯一の方法は、金融資産を持たないことだ」としたが、その場合、「例え次の暴落の悪影響から逃れられるとしても、市場から離れることのコストは、そのメリットよりも大きい」とした。

唯一の解決方法は、楽観的でいることだ。

「調整局面は、必ずやって来る。それは、時間の問題だ。投資家が自身に確認すべきことは、時期、どのような事象をきっかとし、そしてどのような形で起きるのか全くわからない暴落のダメージを避けるために、全ての資産を投資し直すことが、本当に必要なのかどうかにある」とした。