仏大統領選は一つの安心材料だが不透明感は残ったまま

What Macron’s Win Means for Business and the Markets

フランス大統領選では、マクロン候補が極右のルペン候補を30%もの大差で破ったことで、ポピュリズムの台頭に大きな懸念を抱いていた向きには一つの安心材料となることは明確だ。

しかしながら、ルペン候補がこれまで指摘していた問題がすべて解消されたことではなく、逆に不透明感は残ったままだ。

欧州の投資家の大半は、すでにマクロン候補の勝利を織り込み済みで、前週だけでも欧州株式指数は4%程度上昇していた。ウェルズ・ファーゴのアナリスト、ピーター・ドニッサヌー氏は、逆に、マクロン氏の勝利により投資家を利益確定の売りを出すことで、若干の売りを呼ぶ可能性があると指摘している。

長期的には、マクロン氏の勝利が欧州のビジネスにはプラスであることは間違いないが、これまでの世界経済の情勢を大きく変えるほどのインパクトはない。

世界がもっとも懸念していたことは、ルペン候補の勝利によりフランスが欧州連合(EU)から離脱することになった。「フラグジット」は、フランスが欧州通貨経済統合(EMU)からの脱退を意味し、単一通貨ユーロを使わなくなることから、少なくとも経済的には「ブレグジット」よりもはるかに大きな影響が出ると懸念していた。それだけでなく、欧州連合そのものの安定性にも疑問が生じることも懸念されていた。

銀行出身であるマクロン候補は、EU残留を公約とし、市場の自由化も維持すると明言している。フランスが抱えるもっとも大きな問題である10%にも達する失業率改善に向けて、マクロン候補は、労働市場システムの規制緩和も公約として挙げている。

米国から見ると、30%もの差をつけての勝利は当然であるが、投票率の低さが問題となりえる。選挙結果は、マクロン候補の規制緩和に賛成する支持が勝利したのではなく、ルペン候補の極右の考えへの不同意がもたらしたものだとみられている。