米株式市場、不透明感が醸成されつつある

The dangerous ‘stew’ of uncertainty for stocks

米株式市場は、3月1日に史上最高値を付けて以来、緩やかではあるものの値を切り下げる展開を続けている。パニックが起きているわけでもなく、強大な売り圧力に晒されているわけではない。一方で、強い買い意欲も見られないのが実情だ。

出来高も細っており、通常と比較すると10〜20%低い状態にある。

こうした中で、株式市場への不透明感が醸成されつつあり、これを不安視する向きもいる。

こうした不透明感お一つに、財政改革が進んでいないことが挙げられる。トランプ大統領は、今週に入り、「計画のコンセプトは出来上がっている。すぐにも公表する準備ができている」と述べたが、市場はどう大統領の発言を買い材料とはしていない。

市場とトランプ大統領のいわゆるナネームーンは、完全に終わったと言える。

発表されている経済統計の内容も、ここのところ芳しくないのも不安要因だ。消費者物価指数や製造業指数など、事前予想を下回る内容となっている。この結果、6月に米連邦準備制度理事会(FRB、中央銀行)が再度の利上げに踏み切るとの見方は、1週間前の60 %から44%に低下している。

フランス大統領選、英国の欧州連合(EU)離脱、北朝鮮など地政学上のリスクも不安要因だ。

そして、FRBが利上げに踏み切る中で、債券利回りが低下しているのが懸念される。そして、最後の不安材料として挙げられるのが、企業業績だ。株価が上昇基調にあり、バリュエーションが高くなり過ぎていることから、リスクがあるとすれば、下振れだとの指摘がある。