トランプ政権の対中通商政策、中国と世界経済に悪影響

Trump’s trade policies could make things much worse for debt-ridden China

米中の貿易摩擦が激化すれば、中国経済に悪影響を与えることになり、これが、世界経済全体にも重くのしかかる。

トランプ大統領は、選挙期間中から中国を為替操作国と非難し、関税引き上げを含めた厳しい措置を取ると示唆している。

中国側にも譲れない事情がある。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの中国担当株式ストラテジスト、デビッド・キュー氏は、中国共産党の全国人民代表大会が今秋に開催予定で、それまでに、「首脳部として、何ら弱気の姿勢を見せることは物理的にできない」としている。

「この背景を認識せずに、市場は、米中の貿易摩擦の危険性を過小評価している」とした。

公式統計によれば、2015年の米国の最大の貿易相手国は中国だ。この年の米国の貿易赤字は、3670億ドルで、このうち3分の1を中国が占める。

この中国だが、国内では不良債務問題を抱え、状況は日毎に悪化している。キュー氏の推計によれば、国内総生産(GDP)に対する中国が抱える債務比率は、目先は増加することは必至で、その増加率が今魔よりも加速すると見られているとした。

さらに同氏の推計によれば、上海A株の2015年年央の時価総額に対するレバレッジ率は15%だったが、これが2016年の第4・四半期には22%にまで跳ね上がっている。

トランプ大統領は、著名な経済学者で「中国が世界を破滅に向かわせる(Death by China)」の著作があるピーター・ナヴァロ氏を新設の国家通称会議の議長に指名するなど、通商関係閣僚をタカ派で固めている。その上で、キュー氏は、「米中の貿易摩擦は、さらに激化する」とした。